ヌプシサイズ感 175cmで迷う人のための、ゆるっとサイズ談義

175cmくらいの身長って、ヌプシジャケットをはじめとしたヌプシ系のアウターを選ぶとき、本当に微妙なラインだなあと思わされる身長だ。小さすぎるわけでもなく、高身長と呼び切るほどでもない。だからこそSかMか、MかLか、日本サイズかUSサイズかで永遠に悩み続ける人が多いように見える。特に冬本番前になると「ヌプシサイズ感 175」で検索する人が一気に増えていて、毎年同じような悩みがぐるぐる回っている感じがする。

しかも、今は定番のヌプシジャケットだけじゃなく、ストリート感の強い1996 レトロヌプシジャケットや、着丈短めで合わせやすいショートヌプシジャケット、軽めに羽織れるヌプシベストやレトロヌプシベストまである。ついでに足元もヌプシブーツでそろえたくなってしまうから、どこかで一度「自分なりのヌプシのサイズ基準」を決めておくと気持ちがラクになりそうだ。

175cmで見えてくるヌプシのサイズ感のイメージ

レビューやスナップを眺めていると、175cm前後の人が日本サイズのヌプシジャケットを選ぶとき、多くはMかLのどちらかに落ち着いている印象がある。細めの体型やきれいめ寄りに着たい人はM、程よくストリートっぽいシルエットを狙う人はL、筋肉質だったり肩幅がしっかりしている人はXLまで視野に入れている感じだ。

一方でUS企画の1996 レトロヌプシジャケットになると話が少し変わってくる。あれはもともと身幅がゆったりしていて、同じ175cmでもUS SかUS Mあたりを選ぶ人が多いように見える。ジャスト気味にまとめるならUS S、しっかりストリートっぽく着たいならUS M、さらにルーズにいくならUS L、というざっくりした雰囲気だ。

レディースのショートヌプシジャケットは、丈が短くウエスト位置も高めなので、175cmくらいだとサイズ自体は合ってもシルエットがかなりコンパクトに収まることが多そうだ。女性で背が高めの人があえて大きめサイズを選んで、ショート丈だけど身幅はゆるく、みたいなバランスを楽しんでいるコーデもよく見かける。

キッズモデルのヌプシジャケットまで視野に入れ始めると、さすがに175cmでは袖丈や着丈が足りないことが多いと思うけれど、丈短めで着るのが好みなら、オーバーなレイヤード前提で楽しむという遊び方も頭の片隅に置いておくと面白い。

ラフに眺める「こう着たいからこのサイズ」

個人的にヌプシ系を見ていて一番しっくり来るのは、「身幅はわりとゆるいけれど、袖丈と着丈は長すぎない」というバランスだ。175cm前後だと、日本サイズのヌプシジャケットのLはまさにそのど真ん中にハマりやすいように見える。スウェットやフーディを中に着てもまだ余裕があって、写真を撮ったときに横から見た丸っこいシルエットもきれいになりやすい。

逆に細めのパンツや革靴と合わせて、少しきれいめ寄りのスタイルを狙うならMサイズのヌプシジャケットも悪くない。着丈もそこまで短くなりすぎず、インナーを変えれば通勤コーデにもそっと紛れ込ませられるくらいの雰囲気が出やすい。

対して1996 レトロヌプシジャケットは、もともとのキャラ的に「ちょっと大きめ」がよく似合う。175cmでUS Mにして、ボリュームのあるスニーカーと太めのデニム、頭にキャップ…みたいな、わかりやすいストリート寄りの着こなしに振り切ったほうが、アイテムの存在感を活かせる気がする。

肩周りの窮屈さが苦手な人や、冬はとにかく厚手ニットやフリースを重ねたい人は、ヌプシベストやレトロヌプシベストも視野に入れてしまうと気がラクになる。175cmならサイズ感的にはジャケットとほぼ同じイメージで、インナーをもこもこにしても腕が動かしやすく、車移動が多い日にも扱いやすそうだ。

足元まで含めて全身のバランスを考えるなら、ヌプシブーツを合わせるスタイルもかなり冬らしい。上半身が大きめの1996 レトロヌプシジャケットで、足元もボリュームのあるヌプシブーツにしてしまうと、シルエットが下までずどんとつながって、真冬のアウトドア感が一気に出てくる。

ヌプシの性能とサイズの関係をざっくり考える

最後に、ヌプシ系のアウターの「中身」の話も、サイズ選びと合わせて少し触れておきたい。

ヌプシジャケットも1996 レトロヌプシジャケットも、基本的には高めのダウン量とバッフル構造でしっかり保温してくれるタイプだ。サイズを大きくしすぎると、体とダウンの間に空気の層が余計に入りすぎてしまって、せっかくの暖かさが少し逃げやすくなることもありそうだし、逆にジャストすぎると中に着込めなくなって、真冬の外遊びには向かなくなったりする。175cmなら、普段着の上から着たときに「肩は楽だけど、裾から冷気がスースー入らない」くらいのサイズ感が一つの目安になりそうだ。

ショートヌプシジャケットのようなショート丈は、どうしても腰回りが冷えやすいので、175cmだと特にインナーの丈とのバランスが大事になると思う。長めのパーカーやニットを中に入れておけば、丈の短さを逆にレイヤードのアクセントに変えられるし、タウンユースならそれで十分暖かさも確保しやすい。

ベスト系のヌプシベストやレトロヌプシベストは、腕が出ているぶんだけ体感温度は少し下がるけれど、動きやすさとのトレードオフだと考えると、真冬のアウトドアよりも街での普段使いに向いている印象が強い。175cmなら、袖丈を気にしなくていいぶんサイズ選びが簡単で、「とりあえず上半身をふわっと包んでくれる一枚」が欲しいときにはかなり便利そうだ。

そして忘れがちだけれど、足元のヌプシブーツも、防寒という意味ではかなり頼れる存在だ。上半身にヌプシジャケットや1996 レトロヌプシジャケットを持ってきて、足元は普通のスニーカーのままだと、どうしてもつま先が冷えやすい。全身をヌプシで固めるくらいの勢いで冬を楽しんでしまうのも、ファッションとしては案外アリなんじゃないかな、という気がしてくる。

そんなわけで、175cmでヌプシのサイズに悩んでいる人は、まず「きれいめ寄りに着るか、ストリート寄りに振り切るか」を決めてしまって、それに合わせて日本サイズのMかL、あるいはUSサイズのSかMあたりを起点に考えていくと、少しだけ迷いが減っていくはず。あとは気になるモデル、たとえばヌプシジャケット、1996 レトロヌプシジャケット、ショートヌプシジャケット、ヌプシベストやレトロヌプシベストのどれが今の気分かをイメージしながら、ゆるくサイズを決めていくのが、いちばん「趣味の服選び」っぽくて楽しい気がする。