ナイキゼガマのサイズ感、足幅と用途でどう選ぶ？

ナイキズームX ゼガマという名前を初めて見たとき、「なんだかやたら強そうなトレイルシューズが出てきたなあ」とぼんやり思った。実際にSNSやショップのレビューを追いかけていると、厚底のズームXフォームにゴツめのアウトソール、いかにも長い距離を山の中で走りたくなる雰囲気が伝わってくる。同じナイキのトレイルラインであるナイキペガサストレイル 4 やナイキワイルドホース 8 と並べて眺めてみると、「ペガサスがオールラウンダーなら、ゼガマはちょっと本気のロングトレイル担当」という役割分担が見えてきて、サイズ感の記事をのんびり書きたくなってくる。

そんなナイキズームX ゼガマには、後継としてナイキゼガマトレイル 2 も登場しているし、ロード寄りの選択肢としてナイキペガサストレイル 4 や、雨の日用のナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX もある。どれも名前だけ聞くと似たような印象だけれど、サイズ感や足型との相性は少しずつ違っていて、その違いを想像しながら選ぶのがけっこう楽しい。

事情：ゼガマは「ナイキらしい細め」だけど長距離向き

まずは事情というか、周りの声をざっくり整理してみる。

ナイキズームX ゼガマは、ナイキのランニングシューズらしく、ベースはやや細めのフィット感と言われることが多い。足の長さそのものは普段のランニングシューズと大きく変わらないけれど、甲や中足部のホールドが強めで、足幅が広い人だと窮屈に感じやすい、というコメントがよく目につく。日本のショップでは「普段よりハーフサイズ〜ワンサイズ上げてもいいかも」と書いているところもあって、特に甲高・幅広タイプには慎重なサイズ選びが推されている印象だ。

それに対してナイキゼガマトレイル 2 は、「長さはいつものサイズで大丈夫」という声が多くて、トゥボックスは初代より少し余裕が出た、という話も見かける。とはいえ完全にワイド化したわけではなく、ナイキらしいシャープなシルエットはそのままなので、足幅が広い人が安心しきれるほどの余裕、というよりは「ちょっと優しくなった」くらいのニュアンスだと感じる。

一方でナイキペガサストレイル 4 は、ロード用のペガサス系に近いフィットで、トレイル初心者やロードメインのランナーにとっては馴染みやすいサイズ感と言われがちだし、雨の日要員のナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX も基本は同じ形でアッパーだけ防水仕様という位置づけ。もう少しテクニカルなトレイルに寄せるならナイキワイルドホース 8 も選択肢に入ってくるけれど、こちらは前足部がややゆったりめで、ゼガマよりも「土っぽい」フィールのシューズとして語られることが多い。

こうやって並べてみると、ナイキズームX ゼガマとナイキゼガマトレイル 2 は、どちらも「ナイキらしい細身シルエットのロングトレイル用」で、そこにナイキペガサストレイル 4 やナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX がロード寄りオールラウンダー、ナイキワイルドホース 8 がテクニカル寄りという関係で並んでいる、という構図が見えてくる。

感想：足型でここまでイメージが変わりそう

自分の足はどちらかというと幅広寄りなので、レビューを読み漁っているとナイキズームX ゼガマの「ホールドしっかりめ」という言葉にちょっと身構えてしまうところがある。たとえば普段ナイキのロードシューズをジャストサイズで履いている人たちが、「ゼガマはハーフサイズ上げたほうが長距離では楽だった」と書いていたりすると、ロングレースで使うことを考えるなら少し余裕を見たいなあ、という妄想が膨らんでいく。

逆に細身・甲低のフットプロファイルの人だと、ナイキズームX ゼガマやナイキゼガマトレイル 2 のしっかりホールドされる感じが「安心感があって気持ちいい」と感じられそうだし、ペースを上げたい下りでシューズの中で足が泳がないほうが好み、というタイプにはぴったりなんだろうなと想像する。

それに比べると、ナイキペガサストレイル 4 のようなモデルは、ロードシューズからの延長で選べる気楽さがあって、サイズも「いつものペガサスでOK」という感覚でいけそうだから、初めてのトレイルならこちらに寄りたくなる人も多そうだ。雨の日用にナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX を一足用意しておいて、もっと山奥に入りたくなったらナイキズームX ゼガマかナイキゼガマトレイル 2 にステップアップ、という妄想ローテーションも楽しい。

テクニカルな下りが多いエリアに住んでいる人や、岩場が好きな人はナイキワイルドホース 8 のようなモデルと比較して考えることも多いと思うけれど、ワイルドホースは前足部が少しゆったり気味という話もあって、足指の自由度を重視するならこちら、クッションと推進力重視ならゼガマ、といった住み分けも面白いところだ。

性能とサイズ感：どんな使い方を想定して選ぶか

最後に、性能とサイズ感をどう結びつけるかをざっくり整理してみる。

ロングトレイルでクッションをしっかり感じたいなら、ズームXフォームを積んだナイキズームX ゼガマや、その系譜を継いだナイキゼガマトレイル 2 が主役になる。これらはクッション量が多いぶん、長時間走ると足がむくんでくることを想定してサイズに少し余裕を持たせる人が多い印象で、特にウルトラ系の距離を狙うなら、普段のナイキよりハーフサイズ上げてみる、という選び方が現実的に感じられる。

ただし、普段からナイキのシューズで「幅がちょうどいい」「もう少しタイトでもいい」くらいに感じている人なら、ナイキズームX ゼガマもナイキゼガマトレイル 2 も、基本的には同じサイズからスタートして問題なさそうだ。ソックスの厚みやインソールの交換を考えるなら、ジャストかハーフアップかで迷いつつ、山での使用時間の長さに合わせて決めるイメージになる。

一方で、ロードもトレイルも一本でこなしたいならナイキペガサストレイル 4 のようなモデルを普段履きと同じサイズで選ぶほうが素直かもしれないし、雨や雪の日まで視野に入れるならナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX を同じサイズでそろえておくと、シンプルで迷いが少ないローテーションになりそうだ。テクニカルな山がメインで足場の悪さが気になるなら、グリップやプロテクションを優先してナイキワイルドホース 8 を少しゆとりを持たせて履く、なんて選択肢も浮かんでくる。

結局のところ、「ナイキゼガマのサイズ感」は足型と用途でかなり印象が変わるので、細身・甲低タイプならナイキズームX ゼガマやナイキゼガマトレイル 2 を普段サイズで、幅広・甲高タイプやウルトラ志向ならハーフサイズアップも視野に、ロードとの兼用ならナイキペガサストレイル 4 やナイキペガサストレイル 4 GORE-TEX を軸に、といった感じで、自分の山遊びのイメージに合わせて選んでいくのが一番しっくりくるように思う。