フレンチなチロリアンシューズといえば、まず思い浮かぶのがパラブーツ ミカエルだと思う。丸っこいフォルムと分厚いソール、レザーやポニーの素材感まで含めて、「いつか履きたい靴」として名前だけ知っている人も多いはずだ。ところがいざ買おうとすると、そこで立ちはだかるのがサイズ選びの壁。検索窓に「パラブーツ サイズ感 ミカエル」と打ち込んで、情報の海で軽く酔ってしまう、あの感じがすごくよく分かる。表記はFRサイズだし、同じブランドのパラブーツ シャンボードやパラブーツ アヴィニョンとは数字の並びも違うし、そもそも靴そのものが「大きめ」とか「細め」とか、言っていることが人によって微妙に違う。そんな混沌の中で、自分なりに情報を集めて整理してみたメモがこの文章だ。
いろいろなショップのスタッフさんや靴好きの友人たちの話を寄せ集めていくと、パラブーツ ミカエルの第一印象はだいたい共通している。見た目はぽってりしているのに、足を入れるとつま先側は意外とすっきりしていて、指が左右から軽く包まれるようなフィット感。甲のあたりはゆったり目で、履き口も広めだから、紐靴のようにガッチリ締める感じではなく、モカシンに近いリラックス感で足を受け止めてくれる。かかとまわりは少し余裕が出やすくて、慣れるまでは「ちょっと踵が浮くな」と感じることもあるらしい。でも厚みのあるソールと、いかにもフランス靴らしいしっかりしたレザーのおかげで、歩き出すとどっしり路面を掴んでくれる安定感があって、そこにハマると他の靴が物足りなくなる、という話もよく聞く。
ここでよく比較に出てくるのが、同じブランドのUチップ代表パラブーツ シャンボードだ。シャンボードも甲が高めでボリュームのある木型だけれど、履き心地のキャラクターは少し違っていて、あちらのほうが「ビジネス寄りの外羽根Uチップ」という印象。サイズ感の話を聞いていると、多くの人が「パラブーツ シャンボードとパラブーツ ミカエルはほぼ同じサイズでいける」と言いつつ、足が細い人はミカエルをハーフサイズだけ下げたほうがしっくり来た、なんて話も出てくる。よりクラシックなラストのパラブーツ アヴィニョンや、ローファー型で甲の押さえが強いパラブーツ ランス、ダブルモンクのパラブーツ ウィリアムあたりまで並べてみると、ミカエルはやっぱり「一番ラフに履くことを前提にした靴」という雰囲気が強い。
サイズ選びの感触も、それに合わせて少しだけ攻めたほうが楽しい靴という印象だ。スニーカーを普段27cmで履いている人だと、パラブーツ ミカエルはおおよそFR41〜41.5あたりを候補にすることが多くて、いわゆる「スニーカーより1〜1.5サイズくらい小さい数字を見る」イメージになる。実寸26cm台くらいならFR40.5前後から、25cm台ならFR40前後から、というざっくりしたゾーンを頭に描いておくと、ショップの試着でもオンラインのサイズ表でも迷いにくい。ここからさらに、足の個性で微調整していくイメージだ。甲が高めで幅もそこそこある足なら、候補の中で大きいほうを選んだほうがストレスが少ないし、逆に甲が薄くて細足寄りなら、小さいほうのサイズに寄せたほうが気持ちよくフィットしやすい。
ただし、下げれば下げるほど良いわけではないのがややこしいところで、特にパラブーツ ミカエルはつま先が意外とタイトなので、数字だけを見て思い切り攻めると、指先が前にぶつかってしまうことがあるらしい。ソールもレザーも最初は硬めで、履き慣らすまでそれなりに時間がかかるので、「そのうち伸びるだろう」と割り切りすぎると、馴染む前に疲れてしまうかもしれない。感覚的には、立った状態で足を前に送ったときに、親指がギリギリ当たらないくらいの余裕を残しておきつつ、甲と踵はできるだけスカスカしないところを狙う、という落としどころを目指したい。
他のモデルと行き来する人の話も面白くて、普段パラブーツ シャンボードをFR41で履いている人が、パラブーツ ミカエルは同じFR41で、あるいはハーフサイズ下げたFR40.5でちょうどいいと感じるパターンが多い印象だ。よりドレス寄りな木型のパラブーツ アヴィニョンに関しては、同じ数字だと少しタイトに感じる場合もあるので、ミカエル基準で考えると「アヴィニョンはほんの少しシュッとしたフィット」「ランスは甲でしっかり押さえるローファー」「ウィリアムはダブルバックルで調整できるぶん、幅広の人にも優しい」といったキャラクター分けがなんとなく見えてくる。夏場に出番が増えるデッキシューズのパラブーツ バースや、グルカサンダル寄りのパラブーツ パシフィックあたりまで揃えている人の話を聞くと、素足前提のモデルは同じ数字でも少しキツめくらいで合わせて、ソックス履きのミカエルは気持ちゆるく、という温度差でローテーションしていることが多いようだ。
じゃあ、これから初めてパラブーツ ミカエルを選ぶとしたら、どうやってサイズを決めていくのが現実的か。個人的な落としどころは、まず自分の足の実寸をメジャーで測って、そこから「スニーカーより1〜1.5小さい数字のFRサイズ」をざっくり候補にすることだと思う。例えばスニーカー27.0cmなら、FR41〜41.5あたりをメモしておいて、その範囲で甲高・甲低や幅広・幅細という自分の足の癖に合わせて大小を振り分ける。オンラインならサイズ交換ができるショップを選んで、候補のうちどちらかを試してみる。店舗が近くにあるなら、同じ足でパラブーツ シャンボードやパラブーツ ランス、ついでにパラブーツ バースやパラブーツ パシフィックまで履き比べてみると、自分の足とパラブーツの木型の相性がかなりハッキリ見えてくる。
ゴツゴツしたソールと、ぽってりしたフォルム。それでいて妙に上品で、ちゃんと手入れすれば何年も付き合えそうな雰囲気。そんなパラブーツ ミカエルだからこそ、最初のサイズ選びは慎重になってしまうけれど、「スニーカーより少し小さめ」「甲はゆったりめ、つま先は意外とタイト」「かかとは少し余るくらいでもOK」という三つのイメージを頭の片隅に置いておくだけでも、かなり迷いが減る気がする。シャンボード派でも、アヴィニョン派でも、いつかはミカエルをローテーションに入れてみたい、そんな気持ちでゆるくサイズ感を研究している時間もまた、靴好きのささやかな楽しみなのかもしれない。
パラブーツ サイズ感 ミカエルをゆるく語る。失敗しにくいサイズ選びの考え方
フレンチなチロリアンシューズといえば、まず思い浮かぶのがパラブーツ ミカエルだと思う。丸っこいフォルムと分厚いソール、レザーやポニーの素材感まで含めて、「いつか履きたい靴」として名前だけ知っている人も多いはずだ。ところがいざ買おうとすると、そこで立ちはだかるのがサイズ選びの壁。検索窓に「パラブーツ サイズ感 ミカエル」と打ち込んで、情報の海で軽く酔ってしまう、あの感じがすごくよく分かる。表記はFRサイズだし、同じブランドのパラブーツ シャンボードやパラブーツ アヴィニョンとは数字の並びも違うし、そもそも靴そのものが「大きめ」とか「細め」とか、言っていることが人によって微妙に違う。そんな混沌の中で、自分なりに情報を集めて整理してみたメモがこの文章だ。
いろいろなショップのスタッフさんや靴好きの友人たちの話を寄せ集めていくと、パラブーツ ミカエルの第一印象はだいたい共通している。見た目はぽってりしているのに、足を入れるとつま先側は意外とすっきりしていて、指が左右から軽く包まれるようなフィット感。甲のあたりはゆったり目で、履き口も広めだから、紐靴のようにガッチリ締める感じではなく、モカシンに近いリラックス感で足を受け止めてくれる。かかとまわりは少し余裕が出やすくて、慣れるまでは「ちょっと踵が浮くな」と感じることもあるらしい。でも厚みのあるソールと、いかにもフランス靴らしいしっかりしたレザーのおかげで、歩き出すとどっしり路面を掴んでくれる安定感があって、そこにハマると他の靴が物足りなくなる、という話もよく聞く。
ここでよく比較に出てくるのが、同じブランドのUチップ代表パラブーツ シャンボードだ。シャンボードも甲が高めでボリュームのある木型だけれど、履き心地のキャラクターは少し違っていて、あちらのほうが「ビジネス寄りの外羽根Uチップ」という印象。サイズ感の話を聞いていると、多くの人が「パラブーツ シャンボードとパラブーツ ミカエルはほぼ同じサイズでいける」と言いつつ、足が細い人はミカエルをハーフサイズだけ下げたほうがしっくり来た、なんて話も出てくる。よりクラシックなラストのパラブーツ アヴィニョンや、ローファー型で甲の押さえが強いパラブーツ ランス、ダブルモンクのパラブーツ ウィリアムあたりまで並べてみると、ミカエルはやっぱり「一番ラフに履くことを前提にした靴」という雰囲気が強い。
サイズ選びの感触も、それに合わせて少しだけ攻めたほうが楽しい靴という印象だ。スニーカーを普段27cmで履いている人だと、パラブーツ ミカエルはおおよそFR41〜41.5あたりを候補にすることが多くて、いわゆる「スニーカーより1〜1.5サイズくらい小さい数字を見る」イメージになる。実寸26cm台くらいならFR40.5前後から、25cm台ならFR40前後から、というざっくりしたゾーンを頭に描いておくと、ショップの試着でもオンラインのサイズ表でも迷いにくい。ここからさらに、足の個性で微調整していくイメージだ。甲が高めで幅もそこそこある足なら、候補の中で大きいほうを選んだほうがストレスが少ないし、逆に甲が薄くて細足寄りなら、小さいほうのサイズに寄せたほうが気持ちよくフィットしやすい。
ただし、下げれば下げるほど良いわけではないのがややこしいところで、特にパラブーツ ミカエルはつま先が意外とタイトなので、数字だけを見て思い切り攻めると、指先が前にぶつかってしまうことがあるらしい。ソールもレザーも最初は硬めで、履き慣らすまでそれなりに時間がかかるので、「そのうち伸びるだろう」と割り切りすぎると、馴染む前に疲れてしまうかもしれない。感覚的には、立った状態で足を前に送ったときに、親指がギリギリ当たらないくらいの余裕を残しておきつつ、甲と踵はできるだけスカスカしないところを狙う、という落としどころを目指したい。
他のモデルと行き来する人の話も面白くて、普段パラブーツ シャンボードをFR41で履いている人が、パラブーツ ミカエルは同じFR41で、あるいはハーフサイズ下げたFR40.5でちょうどいいと感じるパターンが多い印象だ。よりドレス寄りな木型のパラブーツ アヴィニョンに関しては、同じ数字だと少しタイトに感じる場合もあるので、ミカエル基準で考えると「アヴィニョンはほんの少しシュッとしたフィット」「ランスは甲でしっかり押さえるローファー」「ウィリアムはダブルバックルで調整できるぶん、幅広の人にも優しい」といったキャラクター分けがなんとなく見えてくる。夏場に出番が増えるデッキシューズのパラブーツ バースや、グルカサンダル寄りのパラブーツ パシフィックあたりまで揃えている人の話を聞くと、素足前提のモデルは同じ数字でも少しキツめくらいで合わせて、ソックス履きのミカエルは気持ちゆるく、という温度差でローテーションしていることが多いようだ。
じゃあ、これから初めてパラブーツ ミカエルを選ぶとしたら、どうやってサイズを決めていくのが現実的か。個人的な落としどころは、まず自分の足の実寸をメジャーで測って、そこから「スニーカーより1〜1.5小さい数字のFRサイズ」をざっくり候補にすることだと思う。例えばスニーカー27.0cmなら、FR41〜41.5あたりをメモしておいて、その範囲で甲高・甲低や幅広・幅細という自分の足の癖に合わせて大小を振り分ける。オンラインならサイズ交換ができるショップを選んで、候補のうちどちらかを試してみる。店舗が近くにあるなら、同じ足でパラブーツ シャンボードやパラブーツ ランス、ついでにパラブーツ バースやパラブーツ パシフィックまで履き比べてみると、自分の足とパラブーツの木型の相性がかなりハッキリ見えてくる。
ゴツゴツしたソールと、ぽってりしたフォルム。それでいて妙に上品で、ちゃんと手入れすれば何年も付き合えそうな雰囲気。そんなパラブーツ ミカエルだからこそ、最初のサイズ選びは慎重になってしまうけれど、「スニーカーより少し小さめ」「甲はゆったりめ、つま先は意外とタイト」「かかとは少し余るくらいでもOK」という三つのイメージを頭の片隅に置いておくだけでも、かなり迷いが減る気がする。シャンボード派でも、アヴィニョン派でも、いつかはミカエルをローテーションに入れてみたい、そんな気持ちでゆるくサイズ感を研究している時間もまた、靴好きのささやかな楽しみなのかもしれない。

コメント