背中の筋トレをちゃんと始めたのは、30代に入ってからです。デスクワークで丸一日イスに座りっぱなし、鏡を見ると肩は前に落ちて猫背ぎみ。写真を撮ると、正面からはそこそこでも、後ろ姿がなんだか締まりがなくてショックでした。そこから「とりあえず背筋だろう」と思ってコツコツ続けてきた、趣味レベルの経験を書いてみます。
最初にそろえた自宅背筋セットは、床に敷くためのトレーニングマットと、片手で扱いやすい重さのダンベル。本当はジムに入会するのが一番早いんでしょうけど、いきなり月会費を払う勇気がなくて、まずは家でできる範囲からスタートしました。
マットを敷いてうつ伏せになり、いわゆるバックエクステンション的な動きをゆっくり繰り返すだけでも、最初の数日は腰まわりから背中にかけて強烈な筋肉痛がきました。フォームを意識して、反動を使いすぎないようにしていると、背骨の横にスっと柱が通ったような感覚があって、「あ、ここが脊柱起立筋か」と体で理解できる感じが面白かったです。
しばらくすると物足りなくなってきて、次に取り入れたのがゴム製のトレーニングチューブ。ドアノブに引っかけて、チューブローイングのように引くと、広背筋のあたりがじんわり焼ける感覚があって、自重だけのときよりも「鍛えてる感」がかなり増しました。チューブは負荷のかかり方がなめらかなので、関節に優しいのも地味にありがたいポイントです。
背中トレを続けていくと同時に気になってきたのが、肩こりと姿勢問題。そこで導入したのが、筋膜リリース用のフォームローラーと、小さめのマッサージボール。トレーニング前に肩甲骨周りをゴロゴロほぐしておくと、肩の動きが少し滑らかになる気がして、プル系の種目がやりやすくなりました。個人的には、きつい種目そのものより、この準備をサボると翌日の張り方が全然違うので、今ではウォームアップのほうがセットみたいな感覚になっています。
ある程度家トレに慣れてくると、「懸垂ができたらカッコいいよな」と思うようになります。とはいえ、いきなり大型のラックを家に置くスペースもないので、まずはドア枠にはめ込むタイプの懸垂バーを買いました。これにぶら下がるだけでも背中全体が伸びて気持ちいいし、椅子を足元に置いて負荷を軽くした状態で、ネガティブだけ頑張ると、初心者でも少しずつ懸垂のフォームに慣れていけます。
その後、本格的に自宅トレを強化したくなって、思い切って独立式のチンニングスタンドも導入しました。これだと懸垂だけでなくディップスやレッグレイズもできるので、背中+体幹のメニューをまとめて組みやすいです。スペースはそれなりに取られますが、「家でいつでも懸垂できる」というだけでも、筋トレモチベーションがかなり上がりました。
背筋を本気で追い込みたい日には、可変式のトレーニングベンチにうつ伏せになって、片手で可変式ダンベルを引くワンハンドローをよくやります。フラットよりも少し傾斜をつけてあげると、体を支えるのが楽になって、背中に集中しやすいです。可変式のダンベルは値段こそ少し張りますが、重量をカチャカチャ変えるだけで背中だけじゃなく全身のメニューに使い回せるので、個人的にはかなりコスパが良かった投資でした。
自宅でここまでそろえてみて思ったのは、「意外とジムに行かなくても背中はなんとかなる」ということ。ただ、どうしても扱える重量には限界がありますし、広い可動域で負荷をかけるにはマシンの力も借りたくなってきます。そこで、思い切ってジムにも登録しました。
ジムで一番お世話になっているのが、言わずと知れたラットプルダウンマシン。正面に座ってバーを胸のほうに引き下ろすだけのシンプルな動きなんですが、肩をすくめず、胸を張ったまま肘でバーを引いてくるように意識すると、広背筋の外側からわきのあたりまでがしっかり使われている感覚があります。懸垂よりもずっと軽い重量から始められるので、その日のコンディションに合わせて微調整しやすいのも便利です。
背中の細かいところをいじりたいときは、ケーブルを自由な方向に引けるケーブルマシンが大活躍です。ハイプーリーでのストレートアームプルダウンをすると、広背筋の下のほうがギュッと絞られる感じがあって、個人的に「背中の日の締め」の定番になっています。
重さにこだわりたくなってくると、どうしてもバーベル種目がやりたくなります。デッドリフトやベントオーバーロウをやるために、ジムではパワーラックまわりに張り付いている時間が一番長いかもしれません。しっかり安全バーをセットしてから、トレーニングベルトを締めて、腰を守りながらセットをこなすと、翌日〜翌々日まで心地よい筋肉痛が続きます。腰に不安がある日は、無理をせず腰サポーターで補助しておくと、精神的にも安心です。
高重量を持つようになると、握力が先にギブアップしてしまって背中を追い込めない、という壁にもぶつかります。そこで導入したのが、手首に巻いてバーに引っ掛けるタイプのリストストラップと、手のひらに当ててグリップ力を補助してくれるパワーグリップ。どちらも「握り」への意識を少し減らして、肘で引く感覚に集中しやすくなるので、背中トレを一段階上げたい人にはかなりおすすめです。手のひらのマメが気になる人は、クッション付きのトレーニンググローブを組み合わせると、バーの感触がかなりマイルドになります。
僕の背中トレのスケジュールはそこまでストイックではなくて、週に2回くらい「背中をしっかりやる日」をつくるイメージです。平日の仕事終わりにジムに寄れたら、ラットプルダウン→ケーブル系→デッドリフトの順で3〜4種目。休日は自宅で、チンニングスタンドでの懸垂と、ベンチ+ダンベルのローイングをのんびりやる、という感じ。合間にフォームローラーで背中を転がしたり、トレーニングマットの上でストレッチをしていると、単なる「鍛える時間」というよりも、ちょっとしたリセットタイムとして楽しめるようになってきます。
トレーニングそのものと同じくらい大事だな、と感じているのが栄養面です。僕の場合、トレーニング直後に一杯のホエイプロテインを飲むのをルールにしています。シェイクには専用のプロテインシェイカーを使うとダマになりにくくて、洗うのも楽なので習慣化しやすいです。特に背中の日は消耗感が大きいので、軽く炭水化物を足してあげると、翌日の回復が少し楽になる気がします。
もう少し真面目に筋肉を増やしたい時期には、トレ中に必須アミノ酸を補給できるEAAサプリも使いました。味付きのものを水に溶かして、セットの合間にちびちび飲んでいると、単純にドリンクとしてもおいしいので、長めの背中セッションでも集中力を保ちやすくなります。正直、効果を科学的に語れるほどではないですが、「今日はちゃんと準備してきたぞ」という気持ちが盛り上がるだけでも、トレの質はかなり変わると感じています。
ここまでいろいろ書いてきましたが、背筋トレを始めて一番良かったのは、見た目の変化よりも「姿勢が楽になった」ことかもしれません。前は電車で立っているだけで腰が重くなっていたのが、今は自然と胸が開いた姿勢をキープしやすくなり、肩こりも少しマシになりました。写真を撮ったときに、背中側から見てもそこそこメリハリが出てきたのも、地味にうれしいポイントです。
もちろん、ここに書いたやり方が誰にでも合うとは限らないですし、特に腰に不安がある人は、トレーニングベルトや腰サポーターでしっかり守りつつ、無理のない範囲で試してみるほうが安全です。僕自身も、いきなり高重量に手を出して軽く腰を痛めた経験があってからは、「見栄よりフォーム」を最優先にしています。
背中の筋トレは、胸や腕に比べると地味に感じるかもしれませんが、続けてみると日常生活で感じる変化が大きい部位だと思います。自宅ならトレーニングチューブとダンベルだけでも十分始められますし、余裕があればチンニングスタンドやパワーラックまで拡張していく楽しみもあります。どのレベルから始めるにせよ、自分のペースで少しずつ負荷を上げていけば、気づいた頃には背中にちゃんとした「鎧」ができているはずです。
筋トレ 背筋|自宅・ジム別の鍛え方とリアルな体験談
背中の筋トレをちゃんと始めたのは、30代に入ってからです。デスクワークで丸一日イスに座りっぱなし、鏡を見ると肩は前に落ちて猫背ぎみ。写真を撮ると、正面からはそこそこでも、後ろ姿がなんだか締まりがなくてショックでした。そこから「とりあえず背筋だろう」と思ってコツコツ続けてきた、趣味レベルの経験を書いてみます。
最初にそろえた自宅背筋セットは、床に敷くためのトレーニングマットと、片手で扱いやすい重さのダンベル。本当はジムに入会するのが一番早いんでしょうけど、いきなり月会費を払う勇気がなくて、まずは家でできる範囲からスタートしました。
マットを敷いてうつ伏せになり、いわゆるバックエクステンション的な動きをゆっくり繰り返すだけでも、最初の数日は腰まわりから背中にかけて強烈な筋肉痛がきました。フォームを意識して、反動を使いすぎないようにしていると、背骨の横にスっと柱が通ったような感覚があって、「あ、ここが脊柱起立筋か」と体で理解できる感じが面白かったです。
しばらくすると物足りなくなってきて、次に取り入れたのがゴム製のトレーニングチューブ。ドアノブに引っかけて、チューブローイングのように引くと、広背筋のあたりがじんわり焼ける感覚があって、自重だけのときよりも「鍛えてる感」がかなり増しました。チューブは負荷のかかり方がなめらかなので、関節に優しいのも地味にありがたいポイントです。
背中トレを続けていくと同時に気になってきたのが、肩こりと姿勢問題。そこで導入したのが、筋膜リリース用のフォームローラーと、小さめのマッサージボール。トレーニング前に肩甲骨周りをゴロゴロほぐしておくと、肩の動きが少し滑らかになる気がして、プル系の種目がやりやすくなりました。個人的には、きつい種目そのものより、この準備をサボると翌日の張り方が全然違うので、今ではウォームアップのほうがセットみたいな感覚になっています。
ある程度家トレに慣れてくると、「懸垂ができたらカッコいいよな」と思うようになります。とはいえ、いきなり大型のラックを家に置くスペースもないので、まずはドア枠にはめ込むタイプの懸垂バーを買いました。これにぶら下がるだけでも背中全体が伸びて気持ちいいし、椅子を足元に置いて負荷を軽くした状態で、ネガティブだけ頑張ると、初心者でも少しずつ懸垂のフォームに慣れていけます。
その後、本格的に自宅トレを強化したくなって、思い切って独立式のチンニングスタンドも導入しました。これだと懸垂だけでなくディップスやレッグレイズもできるので、背中+体幹のメニューをまとめて組みやすいです。スペースはそれなりに取られますが、「家でいつでも懸垂できる」というだけでも、筋トレモチベーションがかなり上がりました。
背筋を本気で追い込みたい日には、可変式のトレーニングベンチにうつ伏せになって、片手で可変式ダンベルを引くワンハンドローをよくやります。フラットよりも少し傾斜をつけてあげると、体を支えるのが楽になって、背中に集中しやすいです。可変式のダンベルは値段こそ少し張りますが、重量をカチャカチャ変えるだけで背中だけじゃなく全身のメニューに使い回せるので、個人的にはかなりコスパが良かった投資でした。
自宅でここまでそろえてみて思ったのは、「意外とジムに行かなくても背中はなんとかなる」ということ。ただ、どうしても扱える重量には限界がありますし、広い可動域で負荷をかけるにはマシンの力も借りたくなってきます。そこで、思い切ってジムにも登録しました。
ジムで一番お世話になっているのが、言わずと知れたラットプルダウンマシン。正面に座ってバーを胸のほうに引き下ろすだけのシンプルな動きなんですが、肩をすくめず、胸を張ったまま肘でバーを引いてくるように意識すると、広背筋の外側からわきのあたりまでがしっかり使われている感覚があります。懸垂よりもずっと軽い重量から始められるので、その日のコンディションに合わせて微調整しやすいのも便利です。
背中の細かいところをいじりたいときは、ケーブルを自由な方向に引けるケーブルマシンが大活躍です。ハイプーリーでのストレートアームプルダウンをすると、広背筋の下のほうがギュッと絞られる感じがあって、個人的に「背中の日の締め」の定番になっています。
重さにこだわりたくなってくると、どうしてもバーベル種目がやりたくなります。デッドリフトやベントオーバーロウをやるために、ジムではパワーラックまわりに張り付いている時間が一番長いかもしれません。しっかり安全バーをセットしてから、トレーニングベルトを締めて、腰を守りながらセットをこなすと、翌日〜翌々日まで心地よい筋肉痛が続きます。腰に不安がある日は、無理をせず腰サポーターで補助しておくと、精神的にも安心です。
高重量を持つようになると、握力が先にギブアップしてしまって背中を追い込めない、という壁にもぶつかります。そこで導入したのが、手首に巻いてバーに引っ掛けるタイプのリストストラップと、手のひらに当ててグリップ力を補助してくれるパワーグリップ。どちらも「握り」への意識を少し減らして、肘で引く感覚に集中しやすくなるので、背中トレを一段階上げたい人にはかなりおすすめです。手のひらのマメが気になる人は、クッション付きのトレーニンググローブを組み合わせると、バーの感触がかなりマイルドになります。
僕の背中トレのスケジュールはそこまでストイックではなくて、週に2回くらい「背中をしっかりやる日」をつくるイメージです。平日の仕事終わりにジムに寄れたら、ラットプルダウン→ケーブル系→デッドリフトの順で3〜4種目。休日は自宅で、チンニングスタンドでの懸垂と、ベンチ+ダンベルのローイングをのんびりやる、という感じ。合間にフォームローラーで背中を転がしたり、トレーニングマットの上でストレッチをしていると、単なる「鍛える時間」というよりも、ちょっとしたリセットタイムとして楽しめるようになってきます。
トレーニングそのものと同じくらい大事だな、と感じているのが栄養面です。僕の場合、トレーニング直後に一杯のホエイプロテインを飲むのをルールにしています。シェイクには専用のプロテインシェイカーを使うとダマになりにくくて、洗うのも楽なので習慣化しやすいです。特に背中の日は消耗感が大きいので、軽く炭水化物を足してあげると、翌日の回復が少し楽になる気がします。
もう少し真面目に筋肉を増やしたい時期には、トレ中に必須アミノ酸を補給できるEAAサプリも使いました。味付きのものを水に溶かして、セットの合間にちびちび飲んでいると、単純にドリンクとしてもおいしいので、長めの背中セッションでも集中力を保ちやすくなります。正直、効果を科学的に語れるほどではないですが、「今日はちゃんと準備してきたぞ」という気持ちが盛り上がるだけでも、トレの質はかなり変わると感じています。
ここまでいろいろ書いてきましたが、背筋トレを始めて一番良かったのは、見た目の変化よりも「姿勢が楽になった」ことかもしれません。前は電車で立っているだけで腰が重くなっていたのが、今は自然と胸が開いた姿勢をキープしやすくなり、肩こりも少しマシになりました。写真を撮ったときに、背中側から見てもそこそこメリハリが出てきたのも、地味にうれしいポイントです。
もちろん、ここに書いたやり方が誰にでも合うとは限らないですし、特に腰に不安がある人は、トレーニングベルトや腰サポーターでしっかり守りつつ、無理のない範囲で試してみるほうが安全です。僕自身も、いきなり高重量に手を出して軽く腰を痛めた経験があってからは、「見栄よりフォーム」を最優先にしています。
背中の筋トレは、胸や腕に比べると地味に感じるかもしれませんが、続けてみると日常生活で感じる変化が大きい部位だと思います。自宅ならトレーニングチューブとダンベルだけでも十分始められますし、余裕があればチンニングスタンドやパワーラックまで拡張していく楽しみもあります。どのレベルから始めるにせよ、自分のペースで少しずつ負荷を上げていけば、気づいた頃には背中にちゃんとした「鎧」ができているはずです。

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