筋トレ 90歳から無理なく続ける安全な運動法のコツを完全解説

うちの祖母が90歳を過ぎてから「まだ自分の足で歩きたい」と言い出し、そこからゆるい筋トレ生活が始まりました。専門家でもなんでもない、ただの家族として付き合ってきた体験なので、あくまで一例として読んでもらえたらうれしいです。

最初にやったのは、道具をそろえる前に「安全のための準備」です。祖母は高血圧ぎみなので、まずは毎日の数字を確認できるように血圧計を用意しました。ついでに、歩数や心拍がざっくり分かるフィットネストラッカーも腕時計代わりにつけてもらっています。どちらも医療機器というより「目安」ですが、「今日はよく歩いたね」と数字で褒められるので、モチベーションにはかなり効きました。

まずは「転ばない筋トレ」の環境づくり

90歳の筋トレで一番怖いのは、正直言ってトレーニングそのものより転倒です。そこで、最初にそろえたのがイスと足元の道具でした。
立ち座りの練習に使うのは、安定感のある肘掛け付きチェア。肘掛けがあると、立ち上がるときに軽く支えにできるので、見ている側としても安心感が違います。床にはクッション性のあるヨガマットを敷きました。フローリングのままだと、足がすべったり、膝をついたときに痛かったりするので、厚手タイプが気に入っています。

足元は、普段用のスリッパではなく、かかとが脱げにくい室内用トレーニングシューズか、滑り止め付きの介護用スリッパがおすすめです。祖母の場合は、つまずきにくい前あきの介護用スリッパに落ち着きました。靴を変えるだけで、足の踏ん張り方が目に見えて安定したのには驚きました。

いすスクワットとつま先立ちがメインメニュー

実際の筋トレですが、うちでは「いすスクワット」が主役です。立ち上がりのときに肘掛け付きチェアの肘掛けを軽く持ち、ゆっくり立つ → ゆっくり座る、という動きを繰り返します。最初は1日3回、それを朝昼晩に分けてやるだけ。慣れてきたら回数を増やしました。

いすスクワットのお供として、ふくらはぎを鍛えるつま先立ちもセットでやっています。これは室内用トレーニングシューズを履いた状態で、イスの背もたれを持ちながら、かかとをぐっと上げて下ろすだけ。何も持たないとフラッとすることがあるので、最初は肘掛け付きチェアや壁に手をついて行うのが無難です。

もう一つ、バランス感覚を鍛える目的で導入したのがバランスディスクです。祖母には難しいかも…と思っていたのですが、バランスディスクの上に座って足踏みをする程度から始めたら、意外と楽しそうに続けています。立ったまま使うのは危険なので、座位限定ルールにしています。

ちょい足しグッズで変化をつける

単調な動きばかりだと、本人も飽きてしまいます。そこで役立ったのが、軽めの筋トレグッズたちです。

腕まわりには、片手でにぎれる軽量ダンベルを使っています。祖母の場合、最初は500g程度の軽量ダンベルから始め、体調の良い日にだけ1kgのものにチャレンジする感じです。ダンベルを持って腕を前に上げる、横に開く、それだけでも翌日「肩まわりがポカポカする」と言っていました。

もう一つよく使うのがエクササイズバンド。これは負荷が細かく調整できるのがメリットで、弱いバンドを選べば、指先だけでも引っ張れるくらい軽い力から始められます。イスに座って、エクササイズバンドを足裏にひっかけ、軽く引き寄せる動きは、太ももとお尻の筋肉にじんわり効く感じです。

下半身のバリエーションとしては、足首に巻き付けるアンクルウエイトも便利でした。重さは最軽量タイプを選び、イスに座ったまま片脚ずつ持ち上げる「足上げ運動」に使っています。アンクルウエイトを付けるだけで、同じ回数でも負荷がグッと上がるので、週に1~2回だけの“スペシャルメニュー”扱いにしています。

歩くのが好きな人なら、室内で使える足踏み健康器具もなかなか楽しいです。外に出られない雨の日でも、「今日は足踏み健康器具で10分歩いた!」と達成感があるようで、テレビを見ながらトコトコやっています。

段差の昇り降りができそうな方なら、低めの踏み台昇降ステップ台も候補になります。ただ、90歳でいきなり踏み台昇降ステップ台を使うのはややチャレンジングなので、うちでは主治医からOKが出たあと、両側に手すりがある場所で付き添いありのときだけ使うようにしました。

手の力が弱い人にはグリップ対策も

祖母は指先の力があまり強くないので、ダンベルやエクササイズバンドがすべってしまうことがありました。そこで導入したのがトレーニング手袋です。滑り止め付きのトレーニング手袋をはめると、力を入れなくても器具をしっかり握れるので、「落としたら危ない」という不安がだいぶ軽くなりました。

寒い季節は、指先が冷えると動かす気が失せてしまうので、トレーニング手袋が防寒具としても地味に役に立っています。

教材としてDVDと本もあると心強い

素人だけでメニューを考えると、どうしても自己流になってしまいがちです。そこで、専門家の動きをまねできる筋トレ体操DVDを一枚用意しました。音楽に合わせて、座ったままできる体操が中心の筋トレ体操DVDだと、祖母も「先生と一緒にやる感じ」で楽しそうに身体を動かしています。

自分用には、理屈を知るための筋トレ解説本も買いました。高齢者向けの筋トレ解説本は、「これくらいの回数から始めてOK」「こんな人は医師に相談」など目安が書いてあるので、素人なりにラインを引くのに役立ちます。

食事面のサポートにプロテインとドリンク

90歳になると、そもそも食が細くて「たんぱく質を取ろう」と言っても量が入らない日があります。そんなときに便利だったのがホエイプロテイン高たんぱく栄養ドリンクです。

祖母の場合は、牛乳があまり得意ではないので、水に溶かしても飲みやすいタイプのホエイプロテインを、ほんの少量だけ混ぜるところからスタートしました。それでも難しい日は、市販の高たんぱく栄養ドリンクを半量だけ飲むなど、かなりゆるめに運用しています。あくまで「足りない栄養を補うおやつ」という感覚で、医師に相談しながら取り入れています。

今日はやめておこう、も大事な選択肢

道具をたくさん紹介しましたが、一番大事なのは「無理してやらないこと」かもしれません。朝に血圧計で数字を見て、いつもより高いときはその日は筋トレを中止。また、フィットネストラッカーの歩数がすでに多い日は、「今日は十分動いたから、ストレッチだけにしようか」と予定を軽くします。

祖母は真面目な性格で、「決めた回数をこなさないといけない」と考えがちでしたが、今は「やらない日を作るのもトレーニングの一部だよ」と声をかけるようにしています。

90歳の筋トレは「競争」ではなく「ご褒美時間」

いろいろ書きましたが、結局のところ、90歳の筋トレは誰かと競争するものではなく、自分のペースで続けていく「ご褒美時間」だなと感じています。

お気に入りの介護用スリッパを履き、ヨガマットの上でバランスディスクに座り、好きな筋トレ体操DVDを流しながら、のんびり身体を動かす。終わったら、ちょっとだけ高たんぱく栄養ドリンクを飲んで「今日もやったね」と一緒に笑う――そんな時間が、家族としては何よりの楽しみになっています。

もし身近な90歳の方と筋トレを始めるなら、ここで紹介した室内用トレーニングシューズ肘掛け付きチェア軽量ダンベルエクササイズバンドアンクルウエイト足踏み健康器具なんかも、選択肢の一つとしてチェックしてみてください。ただし、必ず事前に医師と相談し、その人の体調に合った範囲で、ゆっくり、のんびり続けていくのがおすすめです。

筋トレ 90歳から無理なく続ける安全な運動法のコツを完全解説

うちの祖母が90歳を過ぎてから「まだ自分の足で歩きたい」と言い出し、そこからゆるい筋トレ生活が始まりました。専門家でもなんでもない、ただの家族として付き合ってきた体験なので、あくまで一例として読んでもらえたらうれしいです。

最初にやったのは、道具をそろえる前に「安全のための準備」です。祖母は高血圧ぎみなので、まずは毎日の数字を確認できるように血圧計を用意しました。ついでに、歩数や心拍がざっくり分かるフィットネストラッカーも腕時計代わりにつけてもらっています。どちらも医療機器というより「目安」ですが、「今日はよく歩いたね」と数字で褒められるので、モチベーションにはかなり効きました。

まずは「転ばない筋トレ」の環境づくり

90歳の筋トレで一番怖いのは、正直言ってトレーニングそのものより転倒です。そこで、最初にそろえたのがイスと足元の道具でした。
立ち座りの練習に使うのは、安定感のある肘掛け付きチェア。肘掛けがあると、立ち上がるときに軽く支えにできるので、見ている側としても安心感が違います。床にはクッション性のあるヨガマットを敷きました。フローリングのままだと、足がすべったり、膝をついたときに痛かったりするので、厚手タイプが気に入っています。

足元は、普段用のスリッパではなく、かかとが脱げにくい室内用トレーニングシューズか、滑り止め付きの介護用スリッパがおすすめです。祖母の場合は、つまずきにくい前あきの介護用スリッパに落ち着きました。靴を変えるだけで、足の踏ん張り方が目に見えて安定したのには驚きました。

いすスクワットとつま先立ちがメインメニュー

実際の筋トレですが、うちでは「いすスクワット」が主役です。立ち上がりのときに肘掛け付きチェアの肘掛けを軽く持ち、ゆっくり立つ → ゆっくり座る、という動きを繰り返します。最初は1日3回、それを朝昼晩に分けてやるだけ。慣れてきたら回数を増やしました。

いすスクワットのお供として、ふくらはぎを鍛えるつま先立ちもセットでやっています。これは室内用トレーニングシューズを履いた状態で、イスの背もたれを持ちながら、かかとをぐっと上げて下ろすだけ。何も持たないとフラッとすることがあるので、最初は肘掛け付きチェアや壁に手をついて行うのが無難です。

もう一つ、バランス感覚を鍛える目的で導入したのがバランスディスクです。祖母には難しいかも…と思っていたのですが、バランスディスクの上に座って足踏みをする程度から始めたら、意外と楽しそうに続けています。立ったまま使うのは危険なので、座位限定ルールにしています。

ちょい足しグッズで変化をつける

単調な動きばかりだと、本人も飽きてしまいます。そこで役立ったのが、軽めの筋トレグッズたちです。

腕まわりには、片手でにぎれる軽量ダンベルを使っています。祖母の場合、最初は500g程度の軽量ダンベルから始め、体調の良い日にだけ1kgのものにチャレンジする感じです。ダンベルを持って腕を前に上げる、横に開く、それだけでも翌日「肩まわりがポカポカする」と言っていました。

もう一つよく使うのがエクササイズバンド。これは負荷が細かく調整できるのがメリットで、弱いバンドを選べば、指先だけでも引っ張れるくらい軽い力から始められます。イスに座って、エクササイズバンドを足裏にひっかけ、軽く引き寄せる動きは、太ももとお尻の筋肉にじんわり効く感じです。

下半身のバリエーションとしては、足首に巻き付けるアンクルウエイトも便利でした。重さは最軽量タイプを選び、イスに座ったまま片脚ずつ持ち上げる「足上げ運動」に使っています。アンクルウエイトを付けるだけで、同じ回数でも負荷がグッと上がるので、週に1~2回だけの“スペシャルメニュー”扱いにしています。

歩くのが好きな人なら、室内で使える足踏み健康器具もなかなか楽しいです。外に出られない雨の日でも、「今日は足踏み健康器具で10分歩いた!」と達成感があるようで、テレビを見ながらトコトコやっています。

段差の昇り降りができそうな方なら、低めの踏み台昇降ステップ台も候補になります。ただ、90歳でいきなり踏み台昇降ステップ台を使うのはややチャレンジングなので、うちでは主治医からOKが出たあと、両側に手すりがある場所で付き添いありのときだけ使うようにしました。

手の力が弱い人にはグリップ対策も

祖母は指先の力があまり強くないので、ダンベルやエクササイズバンドがすべってしまうことがありました。そこで導入したのがトレーニング手袋です。滑り止め付きのトレーニング手袋をはめると、力を入れなくても器具をしっかり握れるので、「落としたら危ない」という不安がだいぶ軽くなりました。

寒い季節は、指先が冷えると動かす気が失せてしまうので、トレーニング手袋が防寒具としても地味に役に立っています。

教材としてDVDと本もあると心強い

素人だけでメニューを考えると、どうしても自己流になってしまいがちです。そこで、専門家の動きをまねできる筋トレ体操DVDを一枚用意しました。音楽に合わせて、座ったままできる体操が中心の筋トレ体操DVDだと、祖母も「先生と一緒にやる感じ」で楽しそうに身体を動かしています。

自分用には、理屈を知るための筋トレ解説本も買いました。高齢者向けの筋トレ解説本は、「これくらいの回数から始めてOK」「こんな人は医師に相談」など目安が書いてあるので、素人なりにラインを引くのに役立ちます。

食事面のサポートにプロテインとドリンク

90歳になると、そもそも食が細くて「たんぱく質を取ろう」と言っても量が入らない日があります。そんなときに便利だったのがホエイプロテイン高たんぱく栄養ドリンクです。

祖母の場合は、牛乳があまり得意ではないので、水に溶かしても飲みやすいタイプのホエイプロテインを、ほんの少量だけ混ぜるところからスタートしました。それでも難しい日は、市販の高たんぱく栄養ドリンクを半量だけ飲むなど、かなりゆるめに運用しています。あくまで「足りない栄養を補うおやつ」という感覚で、医師に相談しながら取り入れています。

今日はやめておこう、も大事な選択肢

道具をたくさん紹介しましたが、一番大事なのは「無理してやらないこと」かもしれません。朝に血圧計で数字を見て、いつもより高いときはその日は筋トレを中止。また、フィットネストラッカーの歩数がすでに多い日は、「今日は十分動いたから、ストレッチだけにしようか」と予定を軽くします。

祖母は真面目な性格で、「決めた回数をこなさないといけない」と考えがちでしたが、今は「やらない日を作るのもトレーニングの一部だよ」と声をかけるようにしています。

90歳の筋トレは「競争」ではなく「ご褒美時間」

いろいろ書きましたが、結局のところ、90歳の筋トレは誰かと競争するものではなく、自分のペースで続けていく「ご褒美時間」だなと感じています。

お気に入りの介護用スリッパを履き、ヨガマットの上でバランスディスクに座り、好きな筋トレ体操DVDを流しながら、のんびり身体を動かす。終わったら、ちょっとだけ高たんぱく栄養ドリンクを飲んで「今日もやったね」と一緒に笑う――そんな時間が、家族としては何よりの楽しみになっています。

もし身近な90歳の方と筋トレを始めるなら、ここで紹介した室内用トレーニングシューズ肘掛け付きチェア軽量ダンベルエクササイズバンドアンクルウエイト足踏み健康器具なんかも、選択肢の一つとしてチェックしてみてください。ただし、必ず事前に医師と相談し、その人の体調に合った範囲で、ゆっくり、のんびり続けていくのがおすすめです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました